【原発巡礼3:静岡県御前崎市・浜岡原発】

全国の原発のなるべく近くまで行って、祈りつなぐシリーズ。

なるべく原発立地の近くまでいって、しばらく過ごしてみて、身体がどんなふうに感じるか、言葉にできることもできないことも、そこに佇んでみる。周辺の街や地域、景色や空気に触れてみることで見えてくるもの。

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東名高速で東京から西へ。

神奈川から静岡に入ると、だんだん山から海の景色になる。

太平洋。この日は長雨のあとの晴天。清々しく晴れ渡った春真っ盛り。

静岡東部の雄大で美しい海を抜けて、相良牧之原インターから南下。海と砂丘と灯台のあるまち、御前崎。

天候も手伝って、どこまでも穏やかな日差しと空気。

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浜岡原子力発電所は、中部電力が管理運営している。

1971年着工、1976年営業運転開始。

2022年4月現在、1,2機は2009年1月末に営業終了し廃炉作業中。

3,4,5号機は、定期点検と東日本大震災以降運転停止中。

6号機を計画中(まだ作ろうとしておるぞよ!)。

すぐ海。そして、横には浜岡砂丘が広がる。

最も印象的だったのは、穏やかさと(これは多分に天気のせいもある)、ゆったりさ。木がたくさん植わっていて、潤いすら感じる。

これは、今までに訪れた関西電力の高浜・大飯原発、東京電力の東海第二原発とはまったく違う空気感、ゆったり感。

となりにある、浜岡原子力館を見学する。

原発実物大の設備模型などがあり、伝えようとする姿勢がすごい。

これも、今までにみた2つとは大きく違う印象。

これは会社の性質の違いということもあるのか?

すでに廃炉作業に入ってる発電機もあるからか、現在の原子力館の展示は、原発そのものだけでなく、エネルギーミックスへの理解がすすむようにという掲示も多くみられた。

帰ってきてから、浜岡原発関連の資料に目を通してみても、中部電力の潤沢な資金や、地元への十分な還元や工作が読み取れ、同じ電力会社でも財務状況自体にけっこう差があるものなのか?と感じるほどの余裕が中部電力に感じられて、不思議だった。

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大きな地震が来るぞと言われ続けている立地。それでも原発新設の計画があるという。

調べたいこと満載だけど、今は情報の沼におぼれるよりも、土地を感じて祈ってきたことを大切にしたいので、このへんで。

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