個人の人権を守るために国家権力を制限するのが憲法

参議院選挙が告示されました。
選挙の勝敗によっては、憲法改正の国民投票に直面するかもしれない重要な選挙です。
購読している新婦人しんぶん6/25号に、伊藤真弁護士の記事が掲載されていました。
その記事をもとに憲法のことを書きます。

日本国憲法は「平和的生存権」を保障し(前文2項)、「積極的非暴力平和主義」を採用しています(前文、9条)

国家の役割とは、国民の生命と財産を守ることであり、その守り方において、日本国憲法は、軍事力という暴力ではなく、外交や非軍事の国際貢献など、理性にもとづく非暴力の手段によって国民を守ることを憲法で誓っています。

それは先の大戦を経て、国民の生命や財産を軍事力によって守ることは不可能であると反省したからであり、「人道」や「自由」といった美名のもとで他国へ軍事的に介入することは、憎しみや暴力の連鎖を招くだけで国際貢献にならないと考えたからです。

戦争は最大の人権侵害であり、地球環境を破壊するものです。
平和が、国家の単なる政策ではなく、「人権」として保障されることになると、国家はこの人権を保障する義務を負うことになります。
軍事力による防衛ではなく、他国から信頼され、攻められない国をつくることが日本国憲法で誓っていることです。

しかし現在の状況はどうでしょうか?
日本政府は、現在国内総生産の1%水準である防衛費を、5年以内に2倍以上増額するという内容を政府政策に明記したり、沖縄南西諸島では、台湾有事、尖閣有事と騒技立てて、陸上自衛隊ミサイル基地がどんどん配備されていってます。
今日6/23は、沖縄慰霊の日です。
先の大戦で唯一の地上戦の惨劇に見舞われた沖縄では24万人を超える尊いいのちが奪われました。
沖縄の離島群に軍事基地が置かれたら、それはそのまま攻撃対象となります。離島の住民は逃げ惑う場所もありません。
沖縄は軍事拠点にすることではなく、非武装地帯とし、日本と東アジア諸国の平和の架け橋になることでしか守れないと私は考えています。

今日6/23は平和を祈る日。
そして今回の参院選は腹の底から平和を願う投票結果を出さなければいけない選挙です。
一人一人ができることを考えたいと思います。

#参議院選挙2022
#平和憲法
#沖縄慰霊の日


【日本国憲法 前文】

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。


【憲法九条】

第二章 戦争の放棄

〔戦争の放棄と戦力及び交戦権の否認〕

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

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